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どうしてる?Web広告の​予算配分-基本的な3つのポイント-

どうしてる?Web広告の​予算配分-基本的な3つのポイント

こんにちは。岩河です。

モンゴロイドでは業務として「Web広告の運用代行」を請け負っています。
また「Web広告の運用代行」」だけでなく、「広告戦略のコンサルティング」も行っています。

年末にさしかかってきて、「来期の広告費をどうしようか?」というご相談をいただく機会が増えてきました。

いつもこの時期は、来年度の広告のシミュレーションをせっせと作って​います。​(​とてもありがたい話ですが………)

おかげで「広告費の予算配分」や「シミュレーション」のことなら俺に聞け!というくらい、それなりのことが言えるようになった気がします。​

そこで今回は「Web広告の予算配分」の考え方について、いくつかの課題を例に整理していきたいと思います。

Web​広告の予算の決め方で悩まれている方の手助けになれば嬉しいです。

~初級編~​ 毎月、利用する広告費がずっと一定。

あまりマーケティングを意識されていないクライアントにありがちです。

当たり前ですが、ほとんどの商材、サービスで繁忙期、閑散期といったトレンドがあります。
トレンドに合わせた予算配分を​心​がけましょう。
トレンドにそって​​広告配信​​することで、CVの機会損失を減ら​すことができ​ます。

どうすればよいのか?

 

前年、前々年​の月ごとのCVデータがあれば、それを引っ張り出してきて、アップトレンド、ダウントレンドを見極めましょう。
グラフにしてみて、比較するのがわかりやすいです。

データが自社にない場合は、その業界の市場データを探してみると意外と転がっていたりします。参考にしましょう。
これで予算配分のポイントがわかるはずです。

(例)

​特にピークに入る前のタイミングで、ユーザーの検討期間を逆算し、広告費を多くかけて集客数を増やすと、CV増加につながるケースがあります。​

~中級編​​~ 検索の需要ボリュームに対し、リスティング広告の表示回数が少ない。

リスティングにかぎっての話になりますが、これもありがちで、先述の「毎月、利用する広告費が一定」のパターンでよく起​こり​ます。

リスティング広告はいわゆるプル型の広告です。

他のメニューと比べてCPAが低く、費用対効果がとても高いので
CV獲得に貢献するキーワード(=CVワード)が、たくさん検索されている場合は​、​広告をどんどん表示させる​ことをオススメします​。

ここで注意したいのが、CVワードの予算​配分。

CVワードが1日1,000回検索されているのに、
ほかのキーワードで広告費を使ってしまい、実際、CVワードが広告表示されていたのは500回だった……。
なのでCVも本来、獲得できる数の半分に……。​
なんてことに​​ならないように注意しましょう。

どうすればよいのか?

 

Yahoo!スポンサードサーチ、Google Adwordsといったリスティング広告では
インプレッションシェア、インプレッション損失率という指標があります。
どちらも広告の管理画面を見ると、すぐにわかります。

インプレッションシェアの説明
インプレッションシェアとは、広告表示機会の総数のうち、実際に広告が表示された回数の割合です。
インプレッション損失率とは、広告表示機会の総数に対して、実際に広告が表示されなかった回数の割合です。
                 参考:Yahoo!マーケティングソリューション

・Yahoo!スポンサードサーチ のインプレッションシェアの表示例
表示方法:表示項目の編集>追加項目>インプレッションシェア

・Google AdWords のインプレッションシェアの表示例
表示方法:表示項目の変更>競合指標>検索広告のインプレッションシェア

「​インプレッションシェアが低い=インプレッション損失率​が高い」場合は、機会損失が起きている可能性が高いです。

インプレッションシェアを高める方法は、予算だけではないのですが、まずはCVワードに予算が足りているかを注視し、インプレッションシェアを随時、確認し、100%に近づけるようにしましょう。

​(広告代理店に運用をお願いしている場合は、レポートには通常、掲載しない、聞かないと教えてくれない指標だったりするので、ツッコんでみましょう。)​

~上級編~​リターゲティング広告の​費用が、広告費全体の予算配分のなかで多くの割合を占めている。

現在、​リターゲティング​広告はYahoo!(YDN)、Google、criteo、MicroAdなど各種DSP、いろんな媒体社から、いろんなメニューが出ています。

実際、Web広告を行っている企業では何種類ものリターゲティングメニューを同時に配信していると思います。

そこで一度、リターゲティング広告の費用​が全体の広告費に対し、どのくらいの割合になっているか確認してみましょう。

​高い場合は注意が必要です。

どうすればよいのか?

まずは以下のようなメニューごとの「広告費/広告費の割合/広告管理画面のCV数/広告管理画面のCPA/GoogleアナリティクスのCV数」のレポートを作ってみましょう。
レポートの対象期間は任意のものでかまいません。

下記は例です。

​前提
・目標CPA ¥10,000、目標CV数500件で5つのメニューを配信。
・リターゲティングはGoogle、Yahoo!(YDN)、criteoの3メニューを実施中。
・リターゲティングの広告費用は全体の約80%を占める。

(レポートの例)

広告管理画面のレポート結果 (例※1)
​・目標CPA¥10,000はすべてのメニューで守れている。
​・トータルCV数は545件と、目標CV数の500件超えも達成している。

この時点では一見、成果は◎と判断しがちですが、少し待ってください。

GoogleアナリティクスのCV数も同時に見てみましょう。

Googleアナリティクスのレポート結果 (例※2)
・トータルCV数は410件

「広告管理画面のCV数」と「GoogleアナリティクスのCV数」に大きな差があることがわかりました。
特に「Yahoo!リターゲティング」と「criteoリターゲティング」でその差はすごく開いています。(例※3)

なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?

理由は大きく2つ。

①「Yahoo!リターゲティング」と「criteoリターゲティング」は、広告配信先が同じYahoo!ディスプレイネットワークのため、「同一ユーザーのCVを重複してカウントしてしまうこと」

②「広告管理画面でのCV計測方法とGoogleアナリティクスのCV計測方法が違うこと」
です。

少しややこしいので、もう少しわかりやすくいうと…

①「同一ユーザーのCVを重複してカウントしてしまうこと」とは……
あるユーザーが「Yahoo!リターゲティング」と「criteoリターゲティング」のバナーを両方、クリックしており、それぞれの広告管理画面でCVがカウントされていた。
その場合は、両メニューにCV1件、合計2件となります。

②「広告管理画面でのCV計測方法とGoogleアナリティクスのCV計測方法が違うこと」とは……
Googleアナリティクスでは仕様上、直接CVにつながった媒体のみをCV1件としてカウントします。
そのためGoogleアナリティクスでは、「Yahoo!リターゲティング」と「criteoリターゲティング」のどちらか一方にしかCVがカウントされず、CV1件となります

この2つが組み合わさり「広告管理画面のCV数」と「GoogleアナリティクスのCV数」の差が生まれてしまったのです。
さらに投下予算が大きいため、その差も大きくなっていたのでした。

ちなみに、投下予算を増やせば増やすほど、この傾向は大きくなるので成果がよく見えます。
……ただ、実際の、帳簿上の売上や受注件数はそこまで増加していなかった。ということになってしまいます。

ここで「CVの重複」を減らすべく、予算配分を見直すとすれば、どうすれば良いかというと……

同じネットワークに配信するメニューなら、どちらかひとつのメニューに絞るという選択(少し極端ですが)もあります。

また、「criteoに触れた人を除外する」など、リターゲティングの配信設定を見直すことで、予算をうまく削減することができます。(詳しくは今後のブログに書く予定です。)

浮いた広告費で、違うメニューにトライできればより良いですね。

何種類もリターゲティングメニューを配信すると、CVのカウントが重複してしまうのは仕方がないのですが、ちょっとした知識と工夫で、費用対効果を高めることができます。
広告管理画面と実際のCVを常に意識することが大切です。

​ほかにも、タグマネージャーを使った方法や、DMPを使った方法でリターゲティングの効率を良くする方法があります。
こちらも今後、詳しく​書いていきたいと思います。

まとめ

​以上、いかがでしたでしょうか?

今回はポイント的なお話が多かったですが、
上記の3つの課題がクリア出来れば、費用対効果をUPさせることが出来ます。
ぜひ、試してみてください。

最後になりますが、広告の予算配分で大事なことは、事業のステータスを把握し、都度、最適な方法を探すことです。
何事もあきらめないことが肝心ですね。

ちょっとした宣伝になりますが………

-モンゴロイドのHPより-
モンゴロイドでは事業のステータスを把握し、最適な広告提案が可能です。
「売り上げが高止まりしているクライアントには更なるチャレンジを」
「無駄な広告費を支払っているクライアントには広告メニューの最適化を」
「受け皿となるWebサイトや商品そのものが弱く、成果が出ないと感じた場合は広告の中止を」
広告費を無駄にせず、そのときそのときで変わる重要なモノが何かを大切にしています。

上記は、モンゴロイドの広告戦略のコンセプトです。
お困りの際は、ぜひご相談くださいね。
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