こんにちは。
Google AdwordsのDDA(データドリブンアトリビューション)がいろいろなところで話題に上がっていますね。
https://support.google.com/adwords/answer/6394265?hl=ja
これは機械学習によるアトリビューション分析を行う方法ですが、「過去30日間に15,000回以上のクリックと、各コンバージョンアクションに600回以上のコンバージョンが必要」と実装のハードルが高めです。
そこで今回は、Google Adwordsで簡単にできるアトリビューション分析をご紹介しようと思います。
アトリビューション分析とは?
アトリビューション分析は、一言でいうと「各媒体のコンバージョン(以後、CV)への貢献度を正当に評価する分析手法」です。
下図がイメージしやすいと思います。
上のラストクリックモデルとは、「CV直前に接触した媒体のみ評価する」というものです。
設定や計測方法にもよりますが、このモデルが適用されているケースが多いです。
ただ、それ以前に接触している広告は意味がないのか、というとそうでもないはずですよね。
その広告がなければ、もしかしたらCVしていないかもしれません。
「ラストクリック前の広告もCVに貢献しているはずなので、ちゃんと評価しましょう」ということがアトリビュージョン分析の考え方です。
アトリビューション分析の難しさ
考え方に納得感のあるアトリビューション分析ですが、なかなか進まないケースが多いです。
そこにはいくつか理由があります。
まずアトリビューション分析には、いくつか分析モデルがあります。
- 終点モデル
- 起点モデル
- 線形モデル
- 減衰モデル
- 接点ベースモデル
上記のラストクリックモデルのことです。
終点モデルの反対で、「CVに至るまでのクリックのうち、最初のクリックだけを評価する」モデルです。
すべてのクリックを均等に評価するモデルです。
CVに近いクリックをより高く評価するモデルです。
最初と最後のクリックに貢献度を多めに割り振るモデルです。
では、5つのモデルのうち、どれを使えばいいでしょうか?
まずここが難しいと感じるポイントです。
答えとなる、完全に正しいモデルはまだ存在していないからです。
そのため、知りたいことによって使い分ける必要があり、方法を間違えれば、意味のない分析になってしまいます。
次に、アトリビューション分析には手間がかかりますし、詳細に分析しようとすると、例えばアドエビスなどの分析ツールが必要になります
さらに、手間やツールをクリアできたとしても「どこに予算を投下すればいいか、それは正しいのか」というリスクを感じ、なかなか進めることができません。
上記がアトリビューション分析を難しくしている点です。
とはいえ、アトリビューション分析の考え方は正しいので、試してみたいですよね。
前置きが長くなりましたが、ここから本題の「簡単なアトリビューション分析活用法」をご紹介していきます。
簡単アトリビューション分析
まず注意点ですが、この分析方法は「ある程度のCV数があること」が前提です。
CVの貢献度を正当に評価することがアトリビューション分析ですので、そもそもCVがカウントできていないと分析できません。
CVの数が少ないと、分析結果が信頼性に欠け、意味をなさないので注意してくださいね。
それでは、具体的な手順をご紹介していきますね。
1. 検索アトリビューション画面を開く
Google Adwordsにログインして「検索アトリビューション」をクリックします。(旧管理画面からでも可能です)
そうすると下図画面に遷移します。
2. コンバージョン経路レポートをダウンロード
左サイドメニューの「経路」 → 「コンバージョン経路」の順にクリックすると、下図画面に遷移します。
分析したい期間を左上の部分で設定し、「キャンペーンパス(クリック数)」を「キーワードパス(クリック数)」に、「経路の数」を「指定なし」に変更します。
(下図、赤枠の部分です)
この際、設定期間は「そのビジネスにおける検討期間」を加味して設定してくださいね。
検討期間が1ヶ月あるビジネスモデルなのに、1週間で分析しても意味がありませんから。
問題なく設定できたら、このレポートをダウンロードします。
3. 通常のキーワードレポートと組み合わせる
2でダウンロードしたレポートを開きます。
こちらを加工して、通常のキーワードレポートを組み合わせていきます。
まず不要な部分は消し、CVに至るまでのキーワード(キーワードパス(クリック数)の部分)がすべて1つのセルに入っているので、分割します。
次に「CV数 ÷ そのCVに至るまでの経路数(キーワード数)」を計算します。
これは、アトリビューション分析のモデルでいうと、線形モデルの考え方を用いています。
線形モデルは均等にCVの貢献度を割り振るモデルでしたね。
この「CV数 ÷ そのCVに至るまでの経路数(キーワード数)」を通常のキーワードレポートと組み合わせたものが下図です。
組み合わせは関数を使えばできますね。
赤枠部分が上記で加工したレポートを当てはめた部分で、「at CV」は「各キーワードのCV数 ÷ そのCVに至るまでの経路数」の合計値、つまりそのキーワードの貢献度を表しています。
ちなみに、「at CVR」は「at CV」を使ったCVR、「at CPA」は「at CV」を使ったCPAです。
詳しく見ていきますと、通常のCV(=ラストクリックモデルを用いたCV)が0のキーワードでも、at CVの数値があるキーワードは、「ラストクリックではなくCVに至るまでのどこかでクリックされた」キーワードということになりますよね。
簡単にいうとCVに貢献しているキーワードなので、効果があるキーワードといえるでしょう。
反対に通常のCVもなく、at CVもないキーワードはどうでしょうか?
これはCVに貢献していないキーワード、となるので、無駄なキーワードかもしれません。
無駄は省くのが基本ですので、at CVもずっと0のキーワードであれば、入札を下げたり、停止したりなどの対応を行いましょう。
まとめ
ご紹介した方法のように、まずは簡単に行える方法でアトリビューション分析を活用することをおすすめします。
また、無駄を省く、という考え方ならリスクも感じないので、取り入れやすいと思います。
よかったら参考にしてみてください。