こんにちは。
Web広告は種類が多く、英語の3文字略称で表記されがちなので「これってどういった広告なの?」となりやすいですよね。
仕事上、よく広告について質問されるのですが、特に多いのが「DSP」。
「Demand Side Platform」の頭文字をとった略称ですが、「Demand Side Platform?どういう意味?」とよく聞かれますし、自分も最初は意味が全くわかりませんでした。
そこで今回はDSPについて、バナー広告の歴史から説明してみようと思います。
DSPの定義
上述しましたが、DSPは「Demand Side Platform」の略称です。
Demand Side、つまり「需要側、広告発注側」の配信プラットフォームという意味で、すごくザックリいっちゃうと「バナー広告の1種類」です。
……といわれても、なんのこっちゃですよね。
それではWeb業界のバナー広告の歴史を振り返りながら、理解していきましょう。
1. 純広告 時代
もともとバナー広告は「広告を出したい媒体の広告枠を買い付ける」という形式でした。
ある媒体のバナー枠を、媒体が指定している期間、または表示回数分買ってバナーを掲載してもらう、という単純な仕組みです。
交通広告などはこの仕組みですね。
ただ、この仕組みだと、広告主側、媒体側ともに困ることがありました。
広告主側
- 媒体ごとの入稿が大変
- 途中で解約ができない
- 価格が高い
媒体側
- 管理が大変
- 広告枠の売れ残りが出てしまう
- 各広告主ごとの対応が大変
これらを解消するために、生まれたのが「アドネットワーク」です。
2.アドネットワーク時代
アドネットワークとは「複数の媒体の広告枠を一元管理するシステム」です。
いろいろな媒体の広告枠をパッケージ化したもの、とイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。
いろいろなお菓子をまとめ売りしている、みたいな感じです。
それでは、アドネットワークが生まれたことにより、なにが変わったかといいますと、広告主は媒体ごとの入稿作業がなくなりました。
複数の媒体をまとめたものがアドネットワークなので、アドネットワークだけに入稿すればよくなったのです。
これにより、作業がグッと楽になりました。
また媒体側も広告枠の管理が楽になり、売れ残りもアドネットワークに登録しておけば販売できるようになりました。
ただ、まだ課題があります。
たとえば、広告主側が複数ジャンルに広告配信しようとすると、複数のアドネットワークと契約する必要があります。
これだと元の木阿弥です。
またアドネットワーク内の媒体のどの広告枠に配信されても、アドネットワークの配信単価は一定です。
そのため、あまり配信する意味がない広告枠に広告が出ていた場合、違和感が生じてしまいます。
媒体側としても、売れ残りは減りましたが、純広告よりもアドネットワークは単価が低いため、収益としては微妙でした。
上記を解消するために、次に生まれたのが「アドエクスチェンジ」です。
3. アドエクスチェンジ時代
アドエクスチェンジは、各アドネットワークをまとめ、そのアドネットワークが持っている広告枠を1表示ごとに取引できるシステムです。
これにより、広告主側は複数のアドネットワークと契約しなくてもよくなり、また広告枠を1表示ごとに取引ができるため、広告配信が柔軟にできるようになりました。
媒体側としても、1表示ごとに入札形式で単価が決定されるため、一番高く広告枠を売ることができます。
これで課題はすべて解決されましたね。
やっと本題に入りますが、さらにここから進化した仕組みがDSPなのです。
4. DSP、SSP時代
DSPを冒頭よりも詳しく書くと、「複数のアドエクスチェンジやアドネットワークを横断して、広告配信ができる広告主側の総合配信プラットフォーム」です。
3の時代から、さらにアドエクスチェンジやアドネットワークも増えたため、それらを管理するツールが必要になりました。
それがDSPで、そのため「広告主側の配信プラットフォーム」と呼ばれているのです。
反対に、媒体側にも同様のプラットフォームが生まれ、そちらをSSP(Supply Side Platform)といいます。
このDSPとSSPを接続することにより、広告主側は手間なく様々なサイトを横断して広告配信ができ、媒体側も簡単に広告枠を売ることができるようになりました。
さらに、DSPとSSPの接続には「RTB」というシステムが使われています。
RTBとは「Real Time Bidding」の略称で、簡単にいうと「リアルタイムで入札ができる仕組み」です。
これは「広告枠が表示された瞬間に入札が行われ、その入札に勝った広告が配信される」という仕組みです。
この瞬間とはどれくらいかというと、なんとミリ秒単位です!
そのため「Real Time → その瞬間に」、「Bidding → 入札する」という名前がついています。
また、この1表示ごとに「この表示を見ているユーザーはどんな人か、入札を行うか、するなら単価はどれくらいか」をDSP側が判断して最適化してくれています。
DSP、すごい。
「どんな人か」を判断する部分はDMP(データマネジメントプラットフォーム)と呼ばれる「ユーザーの様々なデータが入った箱」が利用されているのですが、これは別の機会にご紹介しますね。
まとめ
DSPは上述の仕組みから「広告枠への配信から、人への配信ができるようになったシステム」ともいわれています。
成り立ちから考えると、この意味も理解しやすいですね。
さらに深く知りたい!、という方はモンゴロイドまで。
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