今回は、Googleアナリティクスを使った解析で、「なにから行えばよいのかわからない」という人向けの簡単でおすすめの方法をご紹介します。
Webサイトは立体構造
早速ですが、例えば小さなスーパーマーケットでバナナを購入する場合を想像してみてください。
一般的に小さなスーパーマーケットの入り口は1つです。
お客さんは必ずその入り口から入店し、目当ての商品にたどり着くために、お肉コーナー、お菓子コーナー、調味料コーナー・・・など様々なコーナーを通過し、あれやこれやと物色しながら通路を歩きます。
ときに目的とは違う商品を見つけ寄り道しながら、そうこうしているうちに果物コーナーにたどり着き、目的のバナナを見つけ、かごに入れてレジに向かい購入し、お家に帰ります。
上記をネットショップに置きかえた場合、お客さんはこのように遷移しているといえます。
START
トップページ:入り口
↓
カテゴリページ:お肉コーナー
↓
カテゴリページ:お菓子コーナー
↓
カテゴリページ:調味料コーナー
↓
カテゴリページ:果物コーナー
↓
商品ページ:バナナ売り場
↓
かごにバナナを投入
↓
購入
GOAL
しかし、お気付きの通り、ネットショップの場合は必ずトップページを通過してから、カテゴリページを経由して、商品詳細ページに行き、目当ての商品を見つけ、かごに入れ、購入するという一定のルートだけではありません。
下記の①のように商品名を検索し、いきなり商品詳細ページに訪問してきたり、
②のようにたまたま見つけたブログから遷移してきたりします。
①
START
商品詳細ページ:バナナ売り場
↓
かごにバナナを投入
↓
購入
GOAL
②
START
バナナ紹介ブログ
↓
商品詳細ページ:バナナ売り場
↓
かごにバナナを投入
↓
購入
GOAL
このようにWebサイトの入り口は1つではなく無数にあります。
簡単に言うと、たくさんの入口がある立体構造になっているってことです。
立体構造を意識し、ページのPVのかたまりを見てみる
構造を意識すると、ユーザーがどこの入口からやってきて、どのように購入に至るかのフローを見たくなりますよね?
ただ、Googleアナリティクスにもユーザーフローという購入フローを見れる機能があるにはありますが、残念ながら、あまり使い勝手がよくはなく、分析には向いていません。
(これは個人の見解です。)
もっと簡単な方法は以下のとおりです。
① Googleアナリティクスで各ページのPV数を調べる。
② ツリー状のサイトマップを用意して、調べたPV数を書き込んでみる。
……と、とても単純な事を行います。
① Googleアナリティクスで各ページのPV数を調べる。
Googleアナリティクスのレフトナビの行動 > サイトコンテンツ > すべてのページ で各ページのPVを確認しましょう。
そこからTOP10~20くらいのPVを抜き出してみましょう。
下記の例ではTOP10を抜き出した場合です。
② ツリー状のサイトマップを用意して、調べたPV数を書き込んでみる。
これを用意したサイトマップに書き込んでみましょう。
サイトマップに書き込むことで、ページの利用状況が把握しやすくなります。
このようになりました。
この数字を見てみると、PV数の一番、多いページはトップページではありませんでした。
一番、PV数が多かったのは「野菜コーナー」のページです。
この場合で、例えば「もっと、バナナを売りたい」というときに、どう考えればよいでしょうか?
もしあなたが担当者ならばどのページから改善を検討しますか?
答えは簡単。まずは果物コーナーのページの改善を考えるのが妥当ですよね。
果物コーナーで、バナナの商品ページへの導線を目立つ場所に変える。
リンクバナーの訴求の文章を変えてみる。など様々な施策が浮かんできます。
ついついページの改善を考える際に、トップページから。……と考えがちなのですが、Webサイトの構造を意識しておけばそんなことはなくなります。
(もちろん、トップページを変えたほうが良い場合もありますのでご注意ください……。)
今回の分析では、よく見られているページはどこか?サイトが目的どおりに使われているか?などを知ることができます。
ぜひ、試してみてください。
さらに・・・
Googleアナリティクスのアドバンスセグメントという機能を使って、「新規ユーザーとリピーター」「PCとスマホ」…etc.などユーザーを比較しながら上記の分析を行えば、もっと有用なデータが見えてきます。
例えば、「新規ユーザーとリピーター」、つまり「初めて来たお客さんと何回も来たお客さん」では、お店や商品の理解度が違うため、行動も必然的に異なり、PV数の内訳が変わってきます。
このようにWebサイトの利用シーンが違うユーザーを比較することで、ユーザーのニーズを把握し、それぞれのユーザーにあったWebサイトの改善につなげることが可能です。
セグメントを考案することは、多少の訓練が必要ですが、解析を行う上では必須のスキルですので、どんどん使って慣れていきましょう。
それでは今回はこのへんで。