こんにちは。
今回はブランディングに関する記事の第2弾、「ブランドを構成する要素」のお話です。
さて、本題に入る前に、前回のブログでは「ブランドとは何なのか?」について書きました。
前回のブログ記事はコチラ
早速ですが、前回のテーマだった「ブランドとは何なのか?」のおさらいから。
「ブランド」とは ブランドマネージャー認定協会が以下のように定義してくれています。
ブランドの定義
ブランドとは
ある特定の商品やサービスが消費者・顧客によって識別されているとき、その商品やサービスを「ブランド」と呼ぶ。消費者・顧客から見た「ブランドの定義」
つまり、「ブランド」とはお客さんが、商品やサービスの区別ができるようになった段階で、その商品やサービスは「ブランド」になる、ということでした。
それでは、そうやって区別ができるようになるためには、「ブランド」として、いったいなにが必要なのでしょうか?
たくさんのお客さんから選ばれる強いブランドは、ロゴやネーミング、キャッチコピーなど、そのブランドを構成する要素を、継続的に一貫性をもって打ち出しています。
そこで今回は、誰もが知っている世界最大の家具量販店、「IKEA」を例にして「ブランド要素」について書いていきます。
ブランド要素とは
「要素」とは、物・事を成り立たせるもとであるモノ、それ以上分けることが出来ないモノ。
つまり、ブランド要素とは、「ブランドを構成する一番、小さな単位」です。
代表的な9つのブランド要素
代表的なブランド要素は以下の9つ。
- ネーミング
- 色
- ロゴマーク・ロゴタイプ
- ジングル・音楽
- キャラクター
- パッケージ
- キャッチコピー
- ドメイン(URL)
- 匂い
それでは「IKEA」のブランド要素を順番に見ていきましょう。
1.ネーミング
そのままズバリ、「IKEA=イケア」。
ただし、世界各国に店舗があるため、読み方は様々なよう。
本国、スウェーデンでは「イケーア」、ドイツ語では、日本と同じく「イケア」。私のカナダ人の友人は英語で、「アイケーア」と発音していました。
ちなみに、なぜ「IKEA」なのかというと、Ingvar Kamprad, Elmtaryd, Agunnarydの頭文字を取っているからで、Ingvar Kamprad(イングヴァル・カンプラード)は創業者の名前、Elmtaryd(エルムタリッド)は彼が育った農場の名称、Agunnaryd(アグナリッド) は彼の出身地の都市名でスウェーデン南部のスモーランド地方 (Småland) にあるとのことです。
出典:http://toyokeizai.net
創業者のイングヴァル・カンプラードは1926年生まれ、2017年現在、91歳で存命とのこと。
そして、カンプラードはなんと、若干、17歳でIKEAを設立。(驚き……)
さらに彼はフォーブス誌発表の「2008年度世界長者番付」で世界第7位(総資産額310億ドル)にランクインしたことも。
見た目はほっこりしたおじいちゃんですが、とってもやり手。
2.色
出典:wikipedia
IKEAのイメージカラーは「青と黄色」。
スウェーデンの国旗の配色を採用したようです。
この国旗の色の意味は、青は「澄んだ空」、黄色は「キリスト教・自由・独立」を表すそう。
鮮やかでキレイです。
創業者のスウェーデン愛を、そこはかとなく感じます。
店舗の外装、ショッパー(買い物袋)、WEBサイトなど、IKEAといえば……コレ。というくらい、おなじみの色。
3.ロゴマーク・ロゴタイプ
ザ・IKEA。シンプルで覚えやすい。
親切にもIKEAのWebサイトのなかで、今までのロゴの変遷の説明がありました。
意外や意外、ロゴの色はもともと、この「青と黄色」ではなかった……。
さだかではありませんが、デザインに優れた「北欧のイメージ」を強く打ち出していくため、この色を採用したのかもしれません。
4.ジングル・音楽
embed]https://youtu.be/eh5bPBpw7HM[/embed]
企業として特に明確な「音」はないようですが、TVCMのなかで自社の商品とともに流れるさわやかな印象のBGMはオリジナル曲が多いようです。
IKEAのセンスの良さが光ります。
5.キャラクター
まったく、知りませんでしたが、IKEAにはAnna(アンナ)というキャラクターが……。
いわゆる、ゆるキャラ的なマスコットのように、活動しているわけではないようですが、Twitter上での公式アナウンスや、お客さんからの質問へ、丁寧に回答している模様。
回答はときにシュールな場合も…笑。
「人間椅子のお取り扱いはございません」IKEA公式キャラ、アンナの回答ツイートがすごい
6.パッケージ
IKEAのパッケージといえば、このバッグが有名。
FRAKTA ¥ 99
どの家庭にも、ひとつはあるのではないでしょうか?
安いうえに、色んな用途で使えるのでとっても便利。
あちこちで見かけるこのバッグ、IKEAの広告塔としての貢献度は計り知れません。
7.キャッチコピー
「やっぱり、家がいちばん」
カタログの発刊と合わせて、都度、変わるようですが、
2017年~のキャッチコピーは「やっぱり、家がいちばん」。
暖かい家のなかで、家族がステキな家具に囲まれ、楽しく団らんしながら、よりそっている画が浮かびます。
日本人なら誰もがいったことのある「ひと言」と「IKEAの良さ」がマッチして、とても良いコピーです。
8.ドメイン(URL)
世界各国に店舗をかまえるIKEAではグローバルサイトがあり、さらに拠点のある国ごとにサイトが用意されています。
グローバル版:http://www.ikea.com/
日本版:http://www.ikea.com/jp/ja/
中国版:http://www.ikea.com/cn/zh/
アメリカ版:http://www.ikea.com/us/en/
店内のポップの暖かな雰囲気そのままに、どのサイトでも「IKEA」の商品、イメージを同じように感じることができます。
9.匂い
お店に行ったときの「匂い」ってあったっけなぁ………。
と、思い出そうとしましたが、残念ながら無理でした。
ただ、お店の中や、設置された家具など、通なお客さんにとってはなじみのある匂いがあるかもしれません。
まとめ
みなさん、いかがでしたでしょうか?
IKEAのブランド要素を掘り下げることで、IKEAが大切にしていることが見えてきました。
IKEAのブランド・イメージはブレずに一貫しています。
商品だけでなく、店舗そのもの、空間を楽しませたい。
IKEAのブランド要素からは、そんな空気を感じとることが出来ます。
いわば、モノよりコト。
ただ、家具を販売するのではなく、家具を選ぶ楽しみも価値として提供する。
「キレイな配色」「高いデザイン性」「お手頃な価格」、IKEAに行けば、きっと、ステキな家具がそろいそう!という期待感を持たせてくれていますよね。
そう思わせてくれるのは、「IKEA」の長い歴史のなかで、継続的に一貫したイメージの打ち出しがあったからであり、ブランドを構成する要素が統一されていたことにほかなりません。
きっと創業者の想いが、従業員、お客さんに届いているのではないでしょうか?
IKEAに行ったらなんか楽しいですしね。
私の体験談ですが、同じような柔らかさで、同じような色のソファが、同じような値段であったときに、やっぱり「IKEA」のソファを選んでしまったのは、こんな理由があったからかもしれません。
改めて、ブランド要素の統一の重要性が理解できました。
IKEAに限らずブランド要素は、色々な企業ですぐに調べることができます。
良ければ、参考にしてみてくださいね。
それでは今回はこのへんで……。
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