マーケティングの業界にいると、◯◯アイデンティティとつく言葉を聞く機会がけっこうあります。
コーポレート・アイデンティティ(CI)、ビジュアル・アイデンティティ(VI)……etc.
今回はブランディングに関する記事の第4弾。
そんな「アイデンティティシリーズ」に属するとっても重要な「ブランド・アイデンティティ」のお話です。
ブランド・アイデンティティってなに?
ブランド・アイデンティティを語る前に
そもそも「アイデンティティ」って、何なのでしょうか?
アイデンティティの意味を辞書で引くと、「自己同一性」「帰属意識」……など、
そういうモノなんでしょうが、なんとなくモヤっとするワードで書かれています。
ただ、わかりやすく言うと「自分らしさ」と、とらえて良いでしょう。
ですので、「ブランド・アイデンティティ」=「ブランドの自分らしさ」となります。
この「ブランドの自分らしさ」が、競合他社と差別化するときに必要になります。
後発のサービスが、先発のサービスとまったく同じことをしても、先に知られているサービスが選ばれるのが普通ですよね。
そして、「ブランドの自分らしさ」を更に言いかえると、「ブランドがお客さんにどう思われたいか?」ということになります。
すなわち、「ブランド・アイデンティティ」とは消費者に「こう思ってもらいたい」という企業、商材、サービスの旗印というわけです。
ブランディングをする上で、一番、大事なコト、といって過言ではないでしょう。
まずはこれを掲げることが大事です。
ブランド・アイデンティティ Brand Identityの定義
企業が自社の製品・サービスが競合他社の製品・サービスとどこが違うかを明確に示すもの。
ブランド・アイデンティティの定義 ~ブランド・マネージャー認定協会より引用~
「ブランディング」とは「ブランド・アイデンティティ」と「ブランド・イメージ」を近づけること
消費者は企業、商材、サービスと接した際に、何らかのイメージをもちます。
これを「ブランド・イメージ」といいます。
ブランド・イメージの例
「美味しくて体に良い」「機能的でデザインが良い」「高品質で安全性が高い」……etc.
上記のような言葉を聞くだけで、色々な商材、サービスが頭に浮かんだと思います。
そんな商材やサービスは「ブランド・アイデンティティ」がしっかり根付いていると言えますよね。
反対に、このイメージがバラバラだと、ブランドが「ブランド」になりえません。
「ブランド・イメージ」が浸透し、統一されていることが、「ブランド」となり、いわゆる「ブランディングが成功していること」になります。
(ブランディングが成功して獲得できるメリットについてはまた、当ブログで紹介します。)
また、「ブランディング」とは、企業側がブランド・アイデンティティとして「どう思ってほしいのか」と、消費者側が抱く「ブランド・イメージ」を近づけていくことを言います。
そうして、消費者の脳内のシェア=マインド・シェアをいかに上げていくか、どんなポジショニングをとるのかが重要になります。
ブランド・イメージ Brand Imageの定義
ブランド自体およびそれに関連するすべての要因(機能的および非機能的)により、
消費者・顧客のココロに作られるトータルな印象のこと。
ブランディング Brandingの定義
意図したブランド・イメージを消費者・顧客が抱くように、戦略的にアプローチしていくこと、またはそれらのアプローチを設計すること。
※ブランディングとは単にブランドの認知を図るだけではなく、製品の購買に繋がる消費者・顧客のニーズと
連結する適切なブランドイメージを消費者・顧客に抱いてもらうことである。
ブランド・イメージ/ブランディングの定義 ~ブランド・マネージャー認定協会より引用~
「ブランド・アイデンティティ」の事例
有名なものがほとんどですが、色々な「ブランド・アイデンティティ」を見ていきましょう。
(企業によって「コンセプト」としているところが多いですが、「ブランド・アイデンティティ」として解釈しています。)
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スターバックス:サードプレイス
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http://www.starbucks.co.jp/
サードプレイスとは、都市生活者の「自宅(ファーストプレイス)」でも、「職場(セカンドプレイス)」でもない、自分らしさを取り戻せる第三の居場所のこと
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ドミノ・ピザ:焼き立てのピザを30分以内にお届けする
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https://www.dominos.jp
ドミノ・ピザはこのコンセプトを実現するために、トッピングや、選べる生地をあえて減らしたそうです。
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Google:世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること
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Amazon:地球上で最もお客様を大切にする企業であること
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FCバルセロナ:クラブ以上の存在
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クックパッド:毎日の料理を楽しみにする
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ディズニー:ファミリー・エンターテイメント
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AKB48:会いにいけるアイドル
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ライザップ:お客様の叶えたい身体に向けて、結果にコミットすること
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Wantedly:気になる会社に、遊びにいこう
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ユニクロ:LifeWear
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シャープ ヘルシオ:健康っておいしい
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企業や商材によって、「ブランド・アイデンティティ」の規模感の違いがありますが
ある意味どれも、消費者との「約束」と言って良いですね。
この約束が守られることで、ブランド・アイデンティティとブランド・イメージがイコールになってくるのだと思います。
上記の企業や商材がみんなに好まれるのはブランディングがとっても成功している証拠です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
消費者はインターネットを使いこなし、商品やサービスを、比較したり、評判を調べたりすることが簡単に出来るようになりました。
さらに情報過多のこの時代。いらない情報はノイズとして判別され、すぐにスルーされてしまいます。
(現代人の一日の情報量は江戸時代に生きた人の一生分らしいです……。)
わかりやすく良いモノが、ますます選ばれていく傾向にあるでしょう。
一筋縄ではいきませんが「ブランド・アイデンティティ」を確立し、「ブランディング」を行っていくことが、今後の事業の成功に大きく関わってくると思います。
今後のブログでは、どうやって「ブランド・アイデンティティ」を作るのか?というところも触れていきますね。
当記事が「ブランド・アイデンティティ」の重要性に気づくきっかけとなってくれれば幸いです。
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