企業がブランディングに成功すれば、たくさんのメリットがあり、それは目に見えない資産となって返ってきます。
今回はそんな「ブランド・エクイティ=ブランド資産」についてのお話です。
ブランド・エクイティ=ブランド資産とは
ブランド・エクイティを構成する要素として、下記が挙げられます。
それでは、一つ一つ見ていきましょう。
ブランド・ロイヤリティ
ブランド・ロイヤリティとは「ブランドへの愛着」「ファン度」のことです。
ロイヤリティの水準は「絶対的支持層」「積極的支持層」「習慣的支持層」「消極的支持層」「無関心層」に分類され、上位の水準に位置する顧客を増やすことで売上や利益を高めることができます。
ブランドロイヤリティは一度、獲得するとなかなか失われないため、競合他社との参入障壁にもなります。
みなさんも、テレビなどでアイドルのファンが、お気に入りのメンバーのうちわを持って、応援しているところを見かけたことがあると思います。
彼、彼女たちは応援グッズが出るたびに購入するため、売上に大きく貢献してくれています。これもブランド・ロイヤリティと呼べるでしょう。
いかに熱狂的なファンを作れるかがポイントですね。
ブランド認知
ブランド認知とは「ブランドの知名度の広さと深さ」のことです。
人は見慣れたものを好み、馴染みのある商品には色々な類のプラスの特徴を見出そうとします。
自分がこのブランドを知っているからには、それなりの理由があるに違いないと考えます。
それはときに高額の商品を買う消費者にとって決定打になります。
これは例ですが、おそらくユニクロを知らない人を探すほうが難しいぐらいに、認知度が高いことはご存知でしょう。
また、シンプルでリーズブルな服のお店と言えば=ユニクロ、と答える人が多いのではないでしょうか。
このように、ただ単に多くの人が名前を知っているだけではなく、「○○と言えば××」のようなイメージの想起=「深さ」も重要なポイントです。
皆さんの会社、商品、サービスも、思い浮かべられるときにどんな印象を持たれているでしょうか?
たくさんの人が統一された、濃い印象を持っている場合は、ブランディングが成功している証拠ですね。
知覚品質
知覚品質とは「ブランドの品質のイメージの良さ」のことです。
知覚品質は、デザイン的な見た目はもちろん、不良品が少ないかどうかの信頼性、保証やアフターサービスなどの付加サービス、商品の形状以外の面、ほか、雰囲気なども含め、総合的に判断されます。
多くの消費者は複数の商品やサービスを検討するとき、わざわざ、一つ一つの特徴を紙に書き出し、見比べるということを行いません。
自分が持っている「知覚品質」をたよりに決定を下すことがほとんどです。
つまり、同業のカテゴリの中で知覚品質のリーダーシップが取ることができれば、有利な状況でスタートができることになります。
-「品質」と「知覚品質」の違い
ロレックスは高級時計なので、多くの消費者は「高品質な時計」という「知覚品質」を持っているはずです。
みなさんも同じように「きっと品質は高いのだろう」という認識をお持ちですよね。
それでも誰もロレックスの代表的な商品の機構や防水性などの性能について、正確には記憶できていません。
所有者でも無い限り「高いし、みんな知っているし、良いに決まっているよね。」という感覚の方が強いでしょう。
このようにロレックスの具体的な品質については、答えることはできないのに、「品質が高そうだ」という認識は持っていること。
これが「品質」と「知覚品質」の違いになります。
ブランド連想
ブランド連想とは「ブランド名を聞いて想起する全てのもの」のことです。
「Apple」と聞いてみなさんどのようなイメージが湧くでしょうか?
AppleはiPhone、iPad、Apple Watchなどの製品類、iTunes、AppleTVなどのサービスなど、たくさんの事業を展開していますが、どれをとっても「シンプルで高いデザイン性、使いやすく無駄を省いたユーザービリティ」といった好意的なイメージが思い浮かびませんか?
そんなAppleは2018年3月現在、時価総額で世界1位の企業になりました。
まずは、顧客の気持ちになってターゲットとなる顧客がどう思っているのか?キーワードを考えてみましょう。
「連想マップ」で検索すると、参考事例が出てきます。
気になる言葉を抜き出し、ネガティブなものは改善を、ポジティブなものはよりよく伸ばすように施策を行うことで、事業の成果につなげることが出来るはずです。
所有権のあるブランド資産
所有権のあるブランド資産とは「特許、商標権、顧客の信頼」のことです。
特許、商標権などを取得していれば、ブランドは法的に守られます。
また、目に見えない形では「顧客の信頼」があります。
ご存知、熊本県が2010年より展開しているマスコットキャラクター「くまモン」は国内企業の商標使用をあえて無料にすることで、熊本県のブランド戦略に貢献しました。とてもうまいやり方ですね。
また、日本を代表するキャラクター「ポケモン」は、株式会社ポケモンがブランドマネジメント全体を管理しており、2017年のポケモンGOのヒットにより、純利益はなんと159億円……。
権利としての「ブランド」は様々なメリットをもたらしてくれますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
お客さんの頭の中に浮かべられる好意的なイメージ全てが、ブランディングの資産と言えるでしょう。
「ブランド・エクイティ」に関する情報は、Webや書籍などたくさんあります。
解釈の仕方なども色々あるようですが、一度、調べてみられるとおもしろいですよ。
「ブランディング」に関する記事はコチラから。
ブランディングってなに?#2 -ブランドを構成する要素とは?IKEAの場合-