目的地に着くまでの過程も楽しむことができる
株式会社アート・ラボ
様々な香り製品をプロデュースするメーカー、アート・ラボさんにインタビューしました。
お会いした当初は「やりたいことが多すぎる」「何から手を付けたらいいのかわからない」といった状況。具体的な施策をご提案する前に「聴く」ことに徹した結果、課題解決につながったばかりか、仕事そのものの魅力を引き出すことにもなって……
株式会社アート・ラボ
代表取締役
髙木 哲さん
株式会社アート・ラボ
取締役
濱中 保通さん
株式会社アート・ラボ
リテールマーケティング部 部長
髙木 一平さん
株式会社アート・ラボ
リテールマーケティング部 ECチーム リーダー
山森 亜希さん
傾聴からはじまる信頼関係
まずは、どのようなことをされている会社か教えていただけますか?
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髙木哲さん
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当社は香り雑貨の企画・製造・販売を行っている会社です。
卸売り以外にも実店舗やWebで販売を行っていまして、2023年2月に直営店「201LAB(ニーマルイチラボ) PLATFORM KYOTO」をオープンしました。
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モンゴロイド
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今日は、まさにその201LAB PLATFORM KYOTOにお邪魔しています。ちょうど三条と四条の間くらい、四条河原町から徒歩5分ほどの場所ですね。
築100年以上という希少な建物を素晴らしい世界観で改装されていて、用事がなくても立ち寄るべきスポット……という印象です。
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濱中保通さん
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モンゴロイドさんと最初に打ち合わせしたのも、京都の街中でした。
暑い日に、オンラインで打ち合わせしたのを覚えてます。
知り合いの会社とも取引していたので、その会社の社長にモンゴロイドってどんな会社?と尋ねたら「イイですよ!高いけど(笑)」と。
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髙木哲さん
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そうこうしているうちに山科の本社へ来ていただいて、社屋を案内したり、商材について説明したり。
初めて会ったのに、結構長い時間打ち合わせをしたと思います。
その当時、一番の課題というのはどういったものだったのでしょう?
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髙木哲さん
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当時は「あれもしたい、これもしたい」という状況。
明確な要件や予算があったわけでもないのに、本当によく我慢してヒアリングしてくれました。
おかげで、技術的なことをいったん抜きにして、思い描いていた理想像を語らせてもらえました。
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濱中保通さん
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最初の頃の打ち合わせが業務的にならず、聞くことに徹してくれたのが良かった。
「とにかく相手のことをよく知って、おかしなことができない仲になってから仕事してる」というスタンスだと聞いて、こりゃいいなと。
時間はかかりましたが、こちらの想いをすべて伝えられました。
何をするかより誰とするか
なぜモンゴロイドに依頼したのでしょう?
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髙木哲さん
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気になったことは質問して掘り下げてくれて、すこぶる話しやすかった、というのは大きいかな。
なにより「ここちよく、かっこよく」が気に入った!
自分たちも同じ想いでやってるかもなぁ……と共感しました。
いいことを目指しているなと。
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濱中保通さん
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アート・ラボが進む道を一緒に歩んでいこう!と意気投合してくれたのを覚えています。
社外にあるけど社内部署のような、シンクタンクのような存在になってほしいと伝えました。
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髙木哲さん
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大阪のモンゴさんにお邪魔したときに事務所がかっこよかったのも重要!
センスに惚れた……
IT業界なんだから内装にこだわる必要はないだろうし、見る人がみたら無駄だと思うかも知れないけど、アート・ラボが一番大切にしている価値観もまさにそこで。
空気感、目に見えないものが価値を生む……という考え方と合致した。
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濱中保通さん
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このままカフェやったら?と思っちゃったけどね。(笑)
依頼してどうでしたか?
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髙木哲さん
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この仕事はいくら、納品したら付き合いもそこで終わり、という気がしなかった。
ずっと関わっていくんだろうなと感じていて、その続いていく感覚が他社とは違うと感じました。
町医者、主治医、という感覚すらある。
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濱中保通さん
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髙木社長の雰囲気、フィーリング、感性と合致する会社と出会えた……としみじみ感じました。
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髙木哲さん
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仕事以外に、人生の話、起業に至るエピソードや映画や漫画なんかの趣味の話など、人間味を知ることができて、良い付き合いができていると思います。
ここちよい仕事の進め方
実務を担当する方々は、関与されたタイミングでどのような課題がありましたか?
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山森亜希さん
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当時、自社で運営しているWeb上の販売チャネルとして楽天市場店がありました。
ただ、積極的に売るというよりは、点々とポップアップをしていく中で「買える場所」として用意していた感じで、自分で言うのもなんですが素人がやっていました。
モール内で自社商品を探しても全然出てこなかったり……
どう伸ばしていったらいいか見当もつかない。
認知を広げて卸先にもアピールしたいけど、やり方がわからない……
そんな状況でした。
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髙木一平さん
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コンサルタントとの取り組みというのはアート・ラボとしても初めてのことでした。
当社は代表が主体となって進めていくことが多く、こういった取り組みはレアケース。
例えばデザインなどについても社内で全て対応してきたため、ガラパゴス化していました。
モンゴロイドはその課題を解決してくれましたか?
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山森亜希さん
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楽天市場で抱えていた課題については解決しつつあります!
モール内のランキングについては、箸にも棒にもかからない状態から、常に上位にいる状態になれました。
ただ、ひとつの課題が解決しても、また新しい課題が出てきますね……
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髙木一平さん
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ランキングにのったときは嬉しかった!
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山森亜希さん
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素人が分析しようとしても難しくて、こうかも?で進めたり、終わったりしてしまうところをプロに頼めたのが心強かったです。
効率的に知識や経験を借りることができたと言うか。
メーカーとして卸もやっているのですが、卸先への配慮といった部分についても共通認識を持ってくれて「メーカーとしてこうした方が面白いんじゃないか」と、こちらの要望を汲み取りながらうまい具合にバランスをとって進めてくれています。
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髙木一平さん
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コロナ禍は需要が高まった時期でもありましたが、そこで売上の最大値を取りに行けた、というのはありがたかったです。
印象に残っているエピソードはありますか?
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髙木一平さん
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担当してくれてるコンサルタントのリピート率が半端ない(笑)
当社の香りにハマっていただいているようで……
あと、いつ打ち合わせしても温度感やテンションがブレない安定感もいいです。
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山森亜希さん
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ついつい話しすぎちゃう!
最初の頃は1回の打ち合わせに4時間かかったこともありました(笑)
「ちょっと話したいネタがあるんですけど」という感じで、それ仕事の打ち合わせで教えてくれるんだ?と。
だから、こちらも言いやすい。
モンゴさん聞いて聞いて!となりやすい。
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髙木一平さん
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打ち合わせの最初に「今日は◯時まで」と決めてスタートしたはずが、余談がはずんで時間オーバーしちゃう(笑)
ザ・仕事、ではなく、お互いにリラックスしてできてるってことかな。
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山森亜希さん
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必要なことだけ話すんじゃなくて、ちゃんと横道にそれてくれる。
そういう意味で期待を裏切らないです。
モンゴロイドの特徴って、どんなところでしょう?
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髙木一平さん
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社内だけでやってるとガラパゴス化して視野が狭くなりがちです。
モンゴさんは、商品や会社を好きになってくれている状態で、そこからお客さん目線とは別のプロの目線、知識、技術でアドバイスしてくれる客観的なアプローチが魅力です。
あと、押し付ける感じがない。
上から目線的な部分がなく、ここちよさがあります。
教育実習に来た先生のような……仲良くはするんだけど、とはいえ教師ではある、というような関係性かも知れない。
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山森亜希さん
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そうかも!
授業は授業でやるんだけど、休み時間になったら気軽に声かけちゃう、というような存在。
こちらが伝えた内容を、違う例え話で返してくれるのも特徴的!
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髙木一平さん
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咀嚼力があるってことかな。
とはいえ、いいにくいことを遠回しに言う、というような例え話はしない。
邪推してヤキモキしないで済むというか……
「私はこう思う!」と比較的ストレートに言ってくれます。
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山森亜希さん
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調理方法はシンプルだけど、ちゃんと食べやすくして出してくれる、そんなイメージです。
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髙木一平さん
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オンラインの時代になって、画面越しってやりづらいなぁという感覚があるけど、モンゴさんとは問題ない。
コミュニケーションが取りづらくなることもない。
画面の向こうからコミュニケーションをとろうとしてくれてるのが伝わって、そういう気持ちが嬉しかったりします。
助手席という距離感
今後の展望について聞かせてください
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髙木一平さん
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自社ECの立ち上げを目論んでいます。
それをするメリットがある状態に持っていってるのが今です。
ポイント競争、クーポン競争に陥らないようにしたいなと。
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山森亜希さん
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例えばお客さんのカルテのようなものが作れるなど、自由度の高いECなんかをイメージしています。
自分なりのアレンジ方法を見つけていただいたりと、楽しみ方をもう少し足せるような、あるいは香りを好きになってもらうきっかけになるような、そんなECが目指せればと。
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髙木一平さん
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オンラインとオフラインの壁を取っ払えたらと思います。
普段モールで買ってくださるお客様が、京都に観光に来られた際にアート・ラボの店舗に来ていただいたことがあって、「ブランドを通してつながってるんだな……」と感動しました。
当たり前のことではありますが、データだけじゃなくて実在してたんだなと実感しました。
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山森亜希さん
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電話注文をしていた時代は、年配の方がよく喋ってくれました。
例えばローズの香りひとつとっても各社全然違う中で「アート・ラボのローズが良いのよ!」と言ってくださったり。
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髙木一平さん
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感覚で選んでもらうこともできるし、何よりなくなったらボトルに注ぎ足せるというのも評価してもらえているのかも。
若い方は、中身とボトルを別々で買うということが自然になってきているようで。
容器にもこだわりたいでしょうし、サイズやデザインも含めて香りを自由に楽しんでいるな、と非常に勉強になります。
モンゴロイドへ期待することはありますか?
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山森亜希さん
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専門性でのサポートもさることながら、多くの人にアート・ラボがやっていることを知ってもらうこと。
そして、面白い!と思えることを一緒に考えてほしいです。
アイデア千本ノックでもいいですよ(笑)
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髙木一平さん
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モンゴさんの理解しようとしてくれる姿勢がありがたい。
社内の状況や想いなどを汲み取って進めてくれていると感じているので、そのままで、近い存在のままでいてほしいです。
まだ想像できていない夢物語につきあってもらいたくて、これからも気軽に相談できる相手だと嬉しいです。
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モンゴロイド
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まさに我が意を得たり、とついつい嬉しくなっちゃいます。
Webマーケティングの世界は目的地についても、また次の目的地を決めて……と、終わりのない長い長い旅路のようなものだと思ってます。
そんなとき、助手席に座って一緒に旅をしてくれる相棒のような存在がいたら、きっと長い道中も楽しくなるんじゃないかなと。
人生の相当な時間を「仕事」しているので、そこが楽しくないと人生も楽しくないよなぁと。
そんな理由で、会社を立ち上げたときから「助手席にモンゴロイドを」という標語?でやってきてます。
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山森亜希さん
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いいキャッチフレーズ!
助手席だったら、ちょっと寝てても許されちゃう、ここちよい距離感かも(笑)
ほしいものを、ほしいタイミングで差し出してくれる感もありますね。
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髙木一平さん
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誰に座ってもらうかが大事だなぁ(笑)
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山森亜希さん
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運転席と同じ方向を向いている、というのも良いイメージ。
お互いに言いたいことも柔らかく伝わりそう。
目的地につくのが目的というよりも、その過程を楽しむことができる喜びというか。
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モンゴロイド
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その喜びは我々も同じでして……
例えば、モンゴロイドが10周年のときは、コーポレート・フレグランスを作っていただきました。
周年記念に、社内の部署ごとに香りをつくってみよう!ということで、「名刺サイズの薄いカードに香りがついている」というのと「各部署のカード(香り)を混ぜたらモンゴロイドの香りになる」というのがウケてます!
これ、商品になるんじゃないかなぁと。
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髙木一平さん
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軽いし、デザインも自由にできるし、例えば服のタグにつけてもいいかも知れませんね。
こうやって話しているとアイデアはたくさん出るんですが、うちは真面目な商品が多い。
モンゴさんは、楽しみながら仕事してるというイメージがあるから、自分たちが自社ではやらないようなアイテム、僕らは作れるけど出せない、というようなものをコラボして生み出せるかも知れない。
面白そう!からスタートするアイテムがあってもいいと思う。
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山森亜希さん
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周年の香り、楽しみながらやったんだろうなぁというのが伝わってきました。
その楽しい感じ、これからもお願いしますね。
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モンゴロイド
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こちらこそ!
そしてまた今日も長く話しすぎましたね…
引き続きよろしくお願いします。
本日はありがとうございました!
- 株式会社アート・ラボ
- フレグランスメーカー(京都市)
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